神宮寺(じんぐうじ)
御本尊十一面千手観世音菩薩は、大同2(807)年来迎し、翌年七堂伽藍が建立されたと伝えられ、開基は征夷大将軍・坂上田村麿といわれています。
応安3(1370)年に、2度目の伽藍造営と仏像の修理が行われたことが、昭和47年の仏像解体修理のときに、広目天の背板裏面墨書銘によって明らかにな りました。しかも、この時「天福山神宮禅寺」だったことも分かり、越後における最古の禅寺である可能性もこくなったということです。
現在 の建物は、江戸時代後期に建てられたものであるといわれています。山門には、名僧侠山(いっさん)道人の補陀(ふだ)洛山、観音堂には細井広沢こうたく) 揮毫の「通身手眼」の大篆字額がかかげられ、格天井には江戸の絵師狩野梅笑の画をはじめ多くの書画がのこされています。
昭和46年に御本尊、昭和49年の脇侍こ天王、平成3年に山門と観音堂が新潟県文化財に指定されました。境内地及び山林は、十日町市文化財(史跡)に指定されています。
大正3(1914)年から昭和30(1955)年まで、観音様のお祭りの日(7月17日)に、当寺の境内で奉納草競馬が実施されました。また、明治44(1911)年に始まった畜牛馬市も昭和44(1969)年頃まで開催されていました。
十七夜祭
大井田地区四日町の観音さまは、千年を超える歴史を持ち、近郷近在有数の霊場として信仰を集めてきました。毎年7月15日~17日に行われる例祭は十七夜祭りと呼ばれ、秘仏である観音様が厨子の扉を開き参詣の方々にお姿を現して示現をお示しになる祭礼です。
別当の神宮寺では例年、15日夜にお開帳を厳修し、併せて詩吟・舞踊の奉納が行われます。16日は終日一般公開。17日は近隣のご寺院を招き、人々の幸多かれとの祈念を込め大般若祈祷会を厳修します。